この前観た『インビクタス 負けざる者たち』(→感想)も実話を基にした映画だったけど、この『しあわせの隠れ場所』もそう。
でも、映画の面白さ、そして、これが実話なの!?という驚きは、断然『しあわせの隠れ場所』にあると私は思いました。
父親はおらず、母親はコカイン中毒という境遇で育った黒人の少年マイケル(クィントン・アーロン)。居候している家にも居づらくなったマイケルは、ホームレスに。
ある夜、寒空の下、薄着で歩くマイケルの姿を見かけたリー・アン(サンドラ・ブロック)。体育館に行くというマイケルを一度は見送るのだが、再び引き返し、なぜこんな時間に体育館に行くのかと訊ねる。
そして、リー・アンはマイケルを自分の家に連れて帰る。
リー・アンは、夫と二人の子供と大きな家で裕福な暮らしを送っている。だからこそマイケルを家族の一員として迎える、という余裕があったのだと思う。
ただ、それだけでは、生まれ育った環境が全く違う大きな体の黒人少年を家に招き入れることなんて、到底出来ないでしょう。
マイケルは、その体格と運動神経の良さで、アメフト選手としての才能を発揮するようになり、やがて多くの大学からスカウトされるまでの注目選手にまで成長し、最後にはNFLのチームにドラフト1位で指名される。まさにアメリカンドリーム。
はっきり言って、これが実話だなんて、信じられなかった。でも、映画のラスト、ドラフト1位指名の映像は、実際の映像が使用されており、エンドロールに使用される写真も実際のマイケルやリー・アンたちの写真でした。
それで、ああ、本当に実話なんだと実感しました。
ブルー・レイの特典映像には、「マイケル・オアー本人が語る真実」、「対談:サンドラ・ブロックとリー・アン・テューイ」なども収録されていました。
主演のサンドラ・ブロックは、この映画でアカデミー賞主演女優賞を受賞したのですが、演技は別にこれまでのサンドラ・ブロックと特に変わらない気がしました。これで主演女優賞というのは、ちょっと意外です。
マイケルの家庭教師を演じたキャシー・ベイツは、やはり存在感がありました。
単純なアメリカンドリームと言われれば、そうかもしれないけれど、観てよかったと思える心温まる映画でした。
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