先日観た『ザ・ウォーカー』(→感想)に続いて文明崩壊後の世界を描いた映画『ザ・ロード』を観ました。ただ、『ザ・ウォーカー』はデンゼル・ワシントン演じる主人公が『北斗の拳』のケンシロウ並みに最強でちょっとマンガっぽい世界だったのに対し、『ザ・ロード』はシリアスでリアルさがある分、重かったです。
舞台は文明崩壊後のアメリカ。父(ヴィゴ・モーテンセン)と幼い息子(コディ・スミット=マクフィー)の二人は、ひたすら南を目指して歩いていた。生き残った者のなかには、集団で人間を狩る恐ろしい人食い集団がいた。父は人食い集団から、さらには飢えや寒さから息子を必死に守りながら旅を続ける・・・。
以前観た『イースタン・プロミス』(感想は旧ブログ→「『イースタン・プロミス』ヴィゴ・モーテンセンがカッコよすぎる!」)でヴィゴ・モーテンセンの渋い演技に魅了されたので、この『ザ・ロード』もヴィゴ・モーテンセン目当てに観たのですが、やはり今回もヴィゴ・モーテンセンの迫真の演技に息をのみました。
また、父の思い出の中に登場する美しい妻をシャーリーズ・セロンが演じているのですが、こちらも存在感がありました。
それにしても、人食い集団が恐ろしすぎます。『ザ・ウォーカー』にも人食いが出てきましたけど、それよりはるかに怖かったです((((;゚Д゚))))
生き残ったとしても、日々を生きるのに精一杯という生活の中で、ヴィゴ・モーテンセン演じる父は文明崩壊後の世界しか知らない息子に絵本を読んでやるなど人間らしさを失わずにいます。。そして、自分たちは“善き者”で、人食いは“悪者”であり、悪者には気をつけねばならないと息子に言って聞かせます。
ところが、“善き者”であるはずの父は、旅の途中で出会った老人を見捨て、強盗に対して必要以上の仕返しをする。彼らを助けてあげて欲しいと懇願する息子の言葉にかろうじて耳を貸しはするものの、父はもはや“善き者”ではなくなったのではないかという違和感を覚えました。
一体どうなってしまうのかと思いながら観ましたが、最後に希望のようなものが感じられたので、ホッとしました。
ヴィゴ・モーテンセン、いいですね。
原作はピュリッツァー賞を受賞したコーマック・マッカーシーの同名小説。
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